INTERVIEW わずか10ミリの歯に
込める熱い思い

1988 年の創業以来、機能性はもちろん、審美にこだわった歯科技工補綴物の製作を手掛け、今日では時代のニーズに対応したデジタル技工の活用や、技工技術の普及及び人材育成にも注力する。
歯科技工業界が目まぐるしい変化を遂げる中、歯科技工はどうあるべきか?

いかに自然に見えるか、が人を笑顔にする。

―HP にも掲載されている症例を拝見させて頂きましたが、大変驚きました。患者さんの本当の歯と義歯と、全く見分けがつきませんね。自由診療に特化されるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
「開業して最初の一年はほとんど仕事がなかったんです。あっても値段が安かったりけなされたりで散々でした。ちょうど長男が生まれたばかりの頃で、夜、家に帰って子供の寝顔見ながら悔しくて泣いたこともありましたね。
ある歯科医師の先生との出会いがきっかけで、徐々に評価され始めて。その頃からですね、“審美”という意識を持ち出したのは。やっぱり“きれいなもの”を作らないといけない、ただ単に白っぽいものを作っているだけではだめだ、と。」
―高崎社長の考える“きれいなもの”とはどういうものでしょうか?
「いかに自然に見えるか、ということです。
歯というのはほんの10ミリ程度の大きさです。100インチの大画面で映しても義歯には見えないものしか作りません。
私の妻もそうでしたが、義歯が気になって人前で口を開けて笑えないという人を何人も笑顔にしてきました。私はただ歯を入れ替えただけ。だけど患者さんの表情は全然変わりますからね。「整形したやろ?」なんて言われたこともありますよ(笑)。」

現場に出向き、患者に寄り添う

―まさに「神業」と言うべき、素晴らしい技術ですね!
「せっかく治療を受けたのに、患者さん自身が自分の歯に納得がいっていないというのが嫌で仕方なくてね。患者さんに本当に満足してもらうためには、現場に出向くこと。できるだけ現場で立ち会って、自分で写真も撮ります。指示をもらうばかりでなく、歯科医の先生方にこちらから打診や提案していかないといけない。」
―歯医医の先生へ提案をされるのですね?
「そうです。当然、先生へ発言できるだけの技術が必要になってきます。
ですから、いかに自分の仕事に「付加価値をつけるか」を常に考えています。
きれいな義歯をつくることはもちろん、講演会やセミナーを開いて技術を公開することも一つです、本当はまだ他所のラボに知られたくないようなことも沢山あるんですけどね。
営業もしかり、です。
ウチの営業マンはイケメンしか採用しない。清潔感のある男前がきちんとネクタイしてスーツ着て営業に行く方が良いでしょ(笑)?
ラボの環境は特に大切だと考えています。定期的に清掃業者に掃除してもらったり、季節の花を飾ったり、技工士が気持ち良く作業できるようにしています。
歯は口の中に入れるものですから、とにかく「きれい」でないとね。」

いずれは海外へ。勝負する材料はある

―CAD/CAMシステム、デジタルスキャナー、3Dプリンターと、デジタル機器の設備も大変充実しておられますね。
「そうですね、早いうちからデジタルに対応してきたのも考えの一つです。ドイツなど海外視察にも行きますが、やはり日本の数年先を行っていますね。日本でもデジタル化は必須です。
とは言ってもやはり前例や見本がないので(デジタル機器の活用は)まだまだ試行錯誤の状態です。
今私がやらなければいけないことは、いずれ私が引退しても若い技工士たちがうまくやっていけるようにデジタル技工を整備することだと思っています。」
―最後に高崎社長の今後の目標を教えてください。
「(技術を)日本の高い技術を海外に持って行きます。まだ今は準備段階ですが、勝負するだけの材料はあると思っています。」

PAGE TOP